フィボナッチ・リトレースメントとは?
フィボナッチ・リトレースメントとは、上昇相場における押し目や下降相場における戻りの価格を予測するテクニカル分析手法です。
イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチ(Leonardo Fibonacci)が考案したフィボナッチという数(数列)が元になっているんですね。
ちなみに下記がフィボナッチ数列です。
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、 ・・・
フィボナッチ数列は前2つの項を足した数を次項とした数列で、数学の授業で習った記憶がある方も少なくないのではないでしょうか?
この数列の不思議なところは、ある項を一つ後の項で割った値が数字が大きくなるにつれ0.618に近づいていくというところです。
そして、この0.618という数字が「黄金比」と呼ばれているんですね。
貝殻の螺旋模様や花びら、葉、松ぼっくりのかさ、といった自然界の生物や植物、ピラミッドやパルテノン神殿、サグラダ・ファミリア、鹿苑寺金閣などの歴史的建造物、モナリザやミロのビーナスなどの芸術作品などは1:0.618(=1.618:1)という黄金比で成り立っているのです。
私たちの身の回りでは、名刺やカード、郵便はがきなども黄金比で構成されているのです。
黄金比で構成されているものは実に美しく、まさに神様が作った芸術品と言えるものなんですね。
FXのチャートもある意味人間が作り出した造形物ですから、そこに黄金比を適用することは自然な流れと言えるでしょう。
このようにフィボナッチ・リトレースメントとは、過去の高値と安値の値幅に黄金比を適用してチャート上のサポートやレジスタンスの目安を測定するテクニカル分析手法なのです。
使用するフィボナッチ比率
FXのチャートでは主に0%、23.6%、38.2%、50%、61.8%、100%といったフィボナッチ比率が用いられています。
ちなみに61.8%はフィボナッチ数列上の数をその直後の数で割った値、38.2%は2つ後の数で割った値、23.6%は3つ後の数で割った値です。
上図においては、高値から安値をつけた後、約61.8%まで値を戻していることがわかります。
その後は約23.6%まで反落し約38.2%まで値を戻すも再度0%の安値に転落と、まさにフィボナッチ比率に従っているかのような値動きになっています。
もちろんフィボナッチ・リトレースメントは万能ではありませんから、あくまでも目安として使用しましょう。
上昇が続いた相場が下落に転じた時の押し目や下落後の反転上昇の戻りの目安としての使用が一般的でおススメです。