ボリンジャーバンドで相場の勢いや変動率を見る!

ボリンジャーバンドとは?

ボリンジャーバンド(Bollinger Band)とは、1980年代前半にジョン・ボリンジャー氏が考案したテクニカル指標です。

中央の移動平均線に対してレートがどれぐらいの割合でばらついているかを示す標準偏差(σ(シグマ))が各ライン(±1σ、±2σ、±3σ)にて示されているんですね。

統計学上、レートが±1σ内に収まる確率は68.26%、±2σ内に収まる確率は95.44%、±3σに収まる確率は99.73%になることがわかっています。

このため、特に±3σからレートがはみ出したときは「行き過ぎ」と判断することが出来るんですね。

標準偏差について

標準偏差は下記の式であらわされます。

これだけ見ても何のことかピンときませんよね・・・

あらためて式を見てみると、各データにおいて平均値との差分を2乗し、それらをデータ数分全て足しあわせデータ数で割った後ルートをとっています。

ここで直感的に理解しづらいのが差分を2乗している部分だと思います。

差分を2乗せずに絶対値化し合計後データ数で割る方法ではダメなのでしょうか?

ここで1つ例を挙げてみましょう。

「12,8,10,8,12」という5つのデータ群Aと、「13,7,10,9,11」という5つのデータ群Bがあったとします。

どちらも平均は10です。

これら2種類のデータに対し、差分を2乗せずに計算してみるとどちらも「1.6」が算出されます。

ここでもう一度2種類のデータを見比べてみましょう。

Aは平均値10からの最大ばらつき値が2であるのに対し、Bは3になっていることがわかります。

Bのばらつきの方がAより大きいのに、両者とも同じ結果が得られてしまってはこの指標は使えないということになってしまいますよね・・・

一方、あらためて差分を2乗する方法で計算してみると、Aが4、Bが4.47となり、ばらつきが正しく指標に反映されていることがわかります。

差分を2乗するということは、ばらつきをより強調する効果があるんですね。

これで標準偏差が正しく計算されるのです。

正しく計算された標準偏差値を平均値である移動平均線に加えたものが+1σ、減算したものが-1σとなります。

同様に標準偏差値を2倍して移動平均線に加えたものが-2σ、減算したものが-2σ、3倍して移動平均線に加えたものが+3σ、減算したものが-3σとなります。

ボリンジャーバンドの基本的な動き3パターン

ボリンジャーバンドには下記のような3つの基本的な動きのパターンがあります。

1.スクイーズ(Squeeze)

2.エクスパンション(Expansion)

3.バンドウォーク(BandWalk, Walking the Bands)

ここではこれら3パターンの動きをご紹介したいと思います。

スクイーズ(Squeeze)

ボリンジャーバンドの幅の狭い所はスクイーズと呼ばれています。

スクイーズ(Squeeze)は「搾る」という意味があり、まさにボリンジャーバンドがギュッと搾られているように見えますよね。

ボリンジャーバンドの幅が狭いということは、レートのばらつきが少なく、それはすなわち値動きが小さいことを意味しています。

エクスパンション(Expansion)

ボリンジャーバンドが上下に大きく広がったところはエクスパンションと呼ばれています。

エクスパンション(Expansion)は「広がる」という意味があり、まさにボリンジャーバンドが上下に大きく広がった形をしているんですね。

ボリンジャーバンドが広がるということは、レートのばらつきが大きく、それはすなわち値動きが大きいことを意味しています。

バンドウォーク(BandWalk, Walking the Bands)

エクスパンションが発生した時に、ボリンジャーバンドの縁に沿ってレートが推移している状態をバンドウォークと呼ばれています。

このバンドウォークは格好の順張りシグナルとされているんですね。

ボリンジャーバンドの効果的な使い方

標準偏差を利用したボリンジャーバンドの基本的な使い方としては逆張り指標としての活用です。

+3σを越えたら買われ過ぎと判断し「売り」、-3σを下回ったら売られ過ぎと判断し「買い」のポイントとして利用するのが一般的なんですね。

また、ボリンジャーバンドがスクイーズ、エクスパンション、バンドウォークのどれにあたるかで相場の勢いや強弱を判断することができます。

バンド幅が縮小傾向にある場合や横ばいトレンドであるスクイーズの時は、±2σを超えたら逆張りが有効とされています。

また、エクスパンションのようにバンドが大きく拡大しトレンドが発生している時は、バンドウォークが続く限り順張りが有効とされています。

こういった基本的なことを押さえた上で更に精度をあげるために同じ逆張り指標のRSIやストキャスティクスなどオシレーター系指標でダブル、トリプルチェックするようにしましょう!

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