MACD(マックディー)でトレンドを読み売買タイミングを見極めよう!

MACDとは?

MACDとは、moving average convergence divergenceの頭文字をとったもので、1960年代にジェラルド・アペル(Gerald Appel)氏により開発された2本の移動平均線から相場の周期やタイミングを捉えるオシレーター系の指標です。

moving averageが「移動平均」、convergenceが「収束」、divergenceが「逸脱、相違、逸脱」という意味で、あわせて「移動平均収束拡散法」と訳されているんですね。

ちなみにMACDは「マックディー」や「エムエーシーディー」などと呼ばれています。

MACDは相場が上に向かっているのか下に向かっているのかその方向性に加え、その上昇・下降が加速しているのか減速気味なのかといった勢いまでをも示してくれるんですね。

このため、トレンドを追随していく順張り用の指標としてはもちろん、相場の転換点を察知する逆張り用の指標として用いたりすることも出来るのです。

SMAとEMAについて

ここでMACDの話を進める前にSMAEMAという2つの移動平均線の話に触れておきたいと思います。

MACDは平均日数が異なる2種類の移動平均線から求められます。

この移動平均線ですが、単純な移動平均線(SMASimple Moving Average)ではなく、指数平滑移動平均(EMAExponential Moving Average)というものが用いられているんですね。

EMAは単なる平均ではなく直近の値に重きが置かれた平均法で、SMAに比べ実際の値動きに近い形で平均値が算出できるという特徴があります。

ここで単純な移動平均であるSMAと、指数平滑移動平均であるEMAの計算式を比較してみたいと思います。

3日間の値動きを例にとったSMAとEMAの計算式は下記のようにあらわされます。

・単純移動平均(SMA)=(1日目価格+2日目価格+3日目価格)/3

・指数平滑移動平均(EMA)=(1日目価格+2日目価格+3日目価格+3日目価格)/4

上式を見ると明らかなように、EMAの方が3日間の直近である3日目の価格が他の日に比べ2倍の重みが与えられているんですね。

ここで3日間の値動きが以下の通りだとします。

1日目 1円

2日目 10円

3日目 100円

単純移動平均を計算すると、SMA=(1+10+100)/3=37円となります。

一方の指数平滑移動平均を計算すると、EMA=(1+10+100+100)/4=52.75円となります。

SMAの37円に比べ、EMAの52.75円の方が、直近である3日目の100円をより多く反映していることがわかります。

一般的には、EMAは下記の計算式をもとに算出されます。

一日目の計算方法は、単純移動平均と同じで、対象期間における終値の平均

二日目以降は、「前日のSMA+α×(当日終値-前日のSMA)」

α(平滑化定数)=2/(n+1)、 n:対象期間

MACDの意味

さて、話をMACDに戻しましょう。

MACDは、変動の速いEMA(Fast EMA)から変動の遅いEMA(Slow EMA)を引いた差で求められ、一般的に前者が12、後者が26といった期間で算出されます。

下記に、ある時期のドル円の日足ローソク足に加え、12EMA(青ライン)及び26EMA(赤)のチャートを示します。

これを見ると2本のEMAの距離がトレンドの進展とともに少しずつ離れていき、天井あるいは底をつけた後に徐々に近づきやがてクロスしていることが分かります。

MACDはこの2本のEMAの乖離幅に着目し、トレンドの勢いを数値化した指標なんですね。

MACDは、「MACD」という指標に加え「シグナル」及び「ヒストグラム」という3つの指標から構成されており、それぞれ下記の式で算出されます。

MACD=12EMA-26EMA

シグナル=MACDの9EMA(9SMA)

ヒストグラム=MACD-シグナル

ローソク足を元に高速及び低速の移動平均を求め、その差であるMACDを算出後、MACD自身の移動平均であるシグナル、及びMACDとシグナルの差であるヒストグラムを計算する、という流れになります。

MACDの売買ポイント

下記に、ある時期のドル円の日足ローソク足に加え、12EMA(青)、26EMA(赤)、MACD(水色)、シグナル(橙)、ヒストグラム(緑)のチャートを示します。

MACDの売買ポイントは、0ラインより下でMACDがシグナルを上方向に追い越した(ゴールデンクロス)ポイントで「買い」、0ラインより上でMACDがシグナルを下方向に追い越した(デッドクロス)ポイントが「売り」となります。

ゴールデンクロスやデッドクロスしているポイントはヒストグラムが0になるポイントでもあり、このヒストグラムがマイナスからプラスに切り替わったポイントが「買い」、プラスからマイナスに切り替わったポイントが「売り」とも言えます。

ヒストグラムが0より上にある場合は上昇トレンド、0より下にある場合は下降トレンドを表していて、このヒストグラムを見ることで相場がどういった状況にあるか把握することが出来るんですね。

ただしシグナルやヒストグラムを含めた一連のMACD指標も万能ではなく、いわゆるダマシとなることも少なくありません。

特にレンジ相場ではダマシとなることが多いので注意しましょう!

外国株訴求B

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