DMIとは?
DMIとは、Directional Movement Indexの略で、J.W.ワイルダー氏により考案されたテクニカル指標です。
トレンドが発生している時のチャートを見ると、上昇トレンドでは前日の高値を当日の高値が更新していき、下降トレンドでは前日の安値を当日の安値が更新いく状態が続くことが多いと思います。
これら当日の高値や安値が前日のそれらに対しどれぐらいの値幅分更新したかに着目することで、相場の方向性や勢いを推し量ろうとする指標がDMIなんですね。
DMIで用いられる3つの指数:+DI、-DI、ADX
DMIでは下記の3つの指数が用いられています。
・+DI
・-DI
・ADX
これら3つの指数からトレンドの有無や強弱を判断することが出来るんですね。
+DI、-DI、ADXを計算するためには、まず+DMと-DM、そしてTRという指数を先に計算しておく必要があります。
DMはDirectional Movementの略で方向性変動幅を意味し、前日および当日の高値と安値に着目し(始値と終値は未使用)算出されたもので、+DMと-DMはそれぞれ下記のフローチャートに基づいて計算されます。
一方、一日の変動幅をあらわすTR(True Range)は、以下の3つの中で一番大きいものになります。
・当日の高値-当日の安値
・当日の高値-前日の終値
・前日の終値-当日の安値
TRは高値、安値に加えて終値も用いることに注意して下さい。
さて、+DM、-DM、TRが求まったところで、いよいよ+DI、-DI、ADXを算出していきましょう。
+DI、-DI
+DI及び-DIは下記の式により算出されます。
DIはDirection Indicatorの略で方向性指標を意味し、上昇幅(+DM)あるいは下落幅(-DM)を実質変動幅(TR)で割ることにより算出されます。
ちなみにnは一般的に14が用いられています。
+DIは上昇トレンド、-DIは下落トレンドの可能性がそれぞれどのぐらいあるかを示してくれるんですね。
ADX
DMIにもう一つ使われる指標がADXです。
ADXはAverage Directional Movement indexの略で、トレンドの強さを見るための指標であり、下記の式で求められるDXの平均として算出されます。
方向性の強さを示す+DIと-DIの差の絶対値を、方向性を持っていた比率{+DI+(-DI)}で割ることで、トレンドの強さを表してくれるんですね。
DMIの利用法
さて、+DI、-DI、ADXの算出方法がわかったところで、各指標が意味するところをおさらいしておきましょう。
・+DI:プラス方向への上昇パワー
・-DI:マイナス方向への下落パワー
・ADX:トレンドの強さ
これら3つの指標を用いることで売買タイミングを判断することが出来るんですね。
それは+DIと-DIのクロスポイントを迎えた後、ADXが30%を超えた所で売買シグナルとするものです。
上図において、+DIが-DIを下から上に上抜いたゴールデンクロス発生後、ADXが30%ラインを超えたところが買いシグナルとなります。
+DIが-DIを上抜くということは、プラス方向のパワーがマイナス方向を上回ったことを意味します。
ただこれだけで買いシグナルとしてしまうとダマシが少なくありません。
そこでトレンドの強さをあらわすADXを条件に加えることで、より確度の高い買いシグナルを得ているわけです。
ADXのしきい値は30%が一般的に用いられています。
上図において、+DIが-DIを上から下に下抜けたデッドクロス発生後、ADXが30%ラインを超えたところが売りシグナルとなります。
是非あなたもDMIを日々の売買シグナルに利用してみてはいかがでしょうか?