VIX指数を利用した株価暴落時の資産運用リスクヘッジ法

VIX指数を利用したリスクヘッジ法

資産運用をしていると年に何度か「なんちゃらショック」と呼ばれる株価や為替の暴落が起きることがあります・・・

どこまでも下がっていくかのような強烈な暴落に耐え切れず強制ロスカットされてしまったり、あるいは恐怖を感じて自ら損切ってしまったという経験をお持ちの方は少なくないのではないでしょうか?

自分の資産が物凄い勢いで減っていくのを何もできずにただ呆然と見ているだけというのは本当にツラいですよね・・・

ここでは資産運用をするうえで避けては通れない暴落に対して、VIX指数を利用してリスクヘッジする投資方法をご紹介したいと思います。

VIX指数とは?

VIX指数とは、Volatility Indexの略で、価格変動の度合いをあらわす「Volatility(ボラティリティー)」を指数化した指標です。

資産価格の変動の激しさを表していて、この指標とリスクの大小が比例すると言われているんですね。

つまり、値動きが激しければリスクも大きく、逆に値動きが乏しければリスクが小さいということなのです。

このVIX指数は別名「恐怖指数」とも呼ばれており、株価暴落時など年に何回か訪れる何とかショックの時などには値が大きく跳ね上がるんですね。

普段は安定していてほとんど値動きがないVIX指数ですが、ひとたび暴落すると値が急激に跳ね上がり、暴落が収まるとすぐに安定した値に戻るという特徴的な動きを見せているのです。

VIX指数の売りトレード

結論から言うと、今回ご紹介する試算運用リスクヘッジ法は、株価暴落時にVIX指数を高値で売り平常時に買い戻すという方法になります。

これは一般的によく知られていて誰もが思いつく方法かとは思いますが(汗)、暴落時に資産価値が目減りしていく様子をただじっと耐え忍ぶだけよりは、多少なりとも楽に暴落時を過ごせるオススメのリスクヘッジ法なんですね。

VIX指数を扱っている証券会社は色々ありますが、最もオススメなのがCFD銘柄として取り扱われており小口で少額から取引できるGMOクリック証券です。

GMOクリック証券では「米国VI」という名称でVIX指数が取り扱われています。

アメリカの株価が反映されている米国VIは、通常15ドル前後の価格で安定しているのですが、株価暴落時には価格が急上昇し、2019年年明けのアップルショック時は26.94ドル、2018年2月の米国発世界同時株安の時は32.63ドルにまで値が跳ね上がりました。

恐怖指数と呼ばれているだけあり、まさに人間の恐怖心理がチャートに如実に表されているんですね・・・

ただし、暴落が永遠に続くということはあり得ず、暴落が収まればVIX指数も必ず元の価格水準に戻ってくるのです。

この性質を利用してVIX指数が高騰している時に売りトレードを仕掛ければ、高確率で利益を狙うことができるというわけなんですね。

GMOクリック証券でのVIX指数(米国VI)売りトレード

ここからは実際にGMOクリック証券でVIX指数の売りトレードに挑戦していきたいと思います♪

GMOクリック証券でのVIX指数は米国VIという名称で取り扱われており、下図がその米国VIのチャートになります。

これは2013年~2018年にかけてのチャートですが、なんとかショックという暴落がある度に上方にピキピキと線が伸びています。^^;

平常時はだいたい15ドル前後で落ち着いていますが、相場が荒れてくると20ドルを超えてくるんですね・・・

米国VIの天井で売りポジションを構築して平常時の価格水準に戻ったところで買い戻せば最高なのですが、天井で売りポジションを構築するのは至難の業ですので、ある基準値、今回の米国VIで言えば20ドルを越えてきたら何枚かにわけて売りポジションを構築していくという作戦が現実的でしょう。

この20ドルを超えたところから徐々に売り上がり、最終的には全ての売りポジションを15ドルで買い戻すというのが今回ご紹介する米国VIを利用したリスクヘッジ法になります。

米国VIを利用した株価暴落時のリスクヘッジ法

米国VIが20ドルを越えたら徐々に売り上がり、全ポジションを15ドルで買い戻す!

米国VIの証拠金とロスカットレート

GMOクリック証券の米国VIは、通貨が米ドルで、取引単位が10倍、そして最大5倍までのレバレッジをかけることができます。

米国VIが20ドルの時に1単位だけ売りポジションを構築したとすると、1ドル=110円換算で、

20ドル×10倍×110円=22,000円

の証拠金が必要になります。

もちろんこれはレバレッジ1倍時の計算ですから、レバレッジを最大の5倍までかけた場合は、上記金額の5分の1である4,400円で売りポジションを構築できることになります。

ちなみにレバレッジを1倍~5倍に変化させた場合に必要な証拠金は下記の通りです。(1ドル=110円換算)

米国VI(ドル)レバレッジ1倍(円)レバレッジ2倍(円)レバレッジ3倍(円)レバレッジ4倍(円)レバレッジ5倍(円)
2022,00011,0007,3335,5004,400
2527,50013,7509,1676,8755,500
3033,00016,50011,0008,2506,600
3538,50019,25012,8339,6257,700
4044,00022,00014,66711,0008,800
4549,50024,75016,50012,3759,900
5055,00027,50018,33313,75011,000

これは必要証拠金と呼ばれ、新規にポジションを構築するために必要なのはもちろん、ポジション構築後も必要となり口座に拘束されます。

また、米国VIのロスカットレートは相場状況などを加味して自動計算されますが、概ね構築したポジションの±1~2ドル前後のところに自動的に設定されます。

これは米国VIのボラティリティからすれば構築したポジションから極めて近い位置と言え、このままだとあっという間にロスカットされてしまう危険性があるんですね・・・(汗)

この自動設定されたレートによるロスカットを防ぐため、必要証拠金とは別の任意証拠金をポジションごとに新たに用意する必要があります。

こうすることで、ロスカットレートを自動で設定されていたポイントから任意証拠金分だけ遠ざけることができるんですね。

あっという間に高値に達してしまう米国VIを利用したトレードにおいて、任意証拠金の用意は必須と考えておきましょう!

米国VI売りトレードの具体例

米国VIが20ドルを越えたら徐々に売り上がるという今回の方法ですが、問題は何ドルまで売り上がっていくか、そしていくらの高値まで耐えられるかという点だと思います。

ただし、そこに正解はなく、過去のチャート等を参考にしながら自分で基準を設け、そのルールに従って設定していくしかありません。

2019年初頭のアップルショック時は26.94ドルまで値が跳ね上がりましたから30ドル程度までを想定していればよかったでしょうし、2018年2月のアメリカ発世界同時株安時は高値が32.63ドルでしたから35ドル程度までの設定でよかったでしょう。

あるいは30ドルまでは売り上がり、そこから先はついていかないということも考えられますね。

いずれにしてもここは悩みどころでそれこそ無数のパターンが考えられます。

ここでは、1ドル=110円時において、20ドルスタートで30ドルまで1ドル刻みで売り上がるとし、その場合の必要証拠金や任意証拠金、15円で買い戻した場合の利益などを計算してみたいと思います。

尚、自動的に設定されるロスカットレートは+1.5ドルとし、任意証拠金を用意することで全てのポジションのロスカットレートを31.5ドルに引き上げることとします。

米国VI(ドル)必要証拠金(円)
(レバレッジ5倍)
任意証拠金(円)
(ロスカットレート=31.5ドル)
30ドル時の含み損(円)15ドルで買い戻した時の利益(円)
204,40011,000-11,000+5,500
214,6209,900-9,900+6,600
224,8408,800-8,800+7,700
235,0607,700-7,700+8,800
245,2806,600-6,600+9,900
255,5005,500-5,500+11,000
265,7204,400-4,400+12,100
275,9403,300-3,300+13,200
286,1602,200-2,200+14,300
296,3801,100-1,100+15,400
306,60000+16,500
トータル60,50060,500-60,500+121,000

必要証拠金(レバレッジ5倍)と任意証拠金を合算したトータル121,000円の証拠金に対し、+121,000円の利益、すなわち100%の利益率が期待できるんですね♪

米国VI売りトレードの注意点

相場が荒れるのを待ち、価格が急上昇したポイントで売り上がり、相場が平常に戻るのを待って買い戻す、という米国VIの売りトレード

一見、簡単そうで必ず勝てそうな気がしますが、注意しなければならない点が2点あります。

米国VIがロスカットレートより高騰してしまうパターン

1つ目が、設定したロスカットレートより米国VIが高騰してしまうパターンです。

値動きが激しい米国VIは一度値が動くとあっという間にピークに達してしまいます。

そのピークがあらかじめ設定していたロスカットレートを超えるとロスカットされてしまうんですね・・・

今後どんな暴落があり、いくらで天井をつけるか、ということは誰にも分かりませんが、過去の値動きから自分なりに米国VIのピーク位置を予測し、それをゆうにカバーできるロスカットレートを設定しておきましょう!

せっかく暴落に備えてリスクヘッジしようとしているのに、そのトレードで損をしてしまってはダブルで痛い目に遭うことになってしまいますからね・・・

元の価格水準に戻るまで待てないパターン

2つ目が、元の価格水準に戻るまで待ちきれないパターンです。

相場が落ち着きを取り戻していくに伴い米国VIが徐々に元の価格水準に戻っていくわけですが、戻るスピードは高騰するスピードに比べ格段に遅く3ヶ月前後程度かかるのが一般的です。

この間にシビレを切らして少ない利益で利確してしまう・・・というのがもう1つ気を付けなければならないポイントなんですね。

早く利益が欲しいという気持ちは分かりますが、高い確率で元の価格水準に戻ることは過去の値動きから分かっているわけですから、そこはグッと堪えてじっくり待ちましょう!(^○^)

GMOクリック証券での米国VI取引法

米国VIによるリスクヘッジ手法が理解できたところで、次にGMOクリック証券での取引方法をご紹介したいと思います。

取引ツール「はっちゅう君CFD」のインストール

GMOクリック証券におけるCFD取引はブラウザやスマホからでも可能ですが、使い勝手の面からパソコン版の専用ツールである「はっちゅう君CFD」がオススメです。

はっちゅう君CFDはGMOクリック証券のサイトからダウンロードし簡単にインストールすることができます。

尚、GMOクリック証券には、はっちゅう君CFD以外にも、はっちゅう君、スーパーはっちゅう君、はっちゅう君FXPlus、はっちゅう君365など似たようなツールがたくさん取り揃えられているので間違えないようにしましょう。

まずは「はっちゅう君CFD」をダウンロードしインストールします。

はっちゅう君CFDは、GMOクリック証券にログイン後、マイページ→ツールと移動した画面の下の方の「CFD取引に便利なツール」の中にありますので間違えないようにダウンロード後、インストールしましょう。

CFD口座への入金および振替

はっちゅう君CFDのインストールが完了したらいよいよ設定、といきたいところですが、その前に証拠金を入金する必要があります。

入金はGMOクリック証券ホームページのマイページ→入出金・振替から行うことができます。

入金処理を行うと証券取引口座に資金が入金されますので、この資金をCFD取引口座へ移動する必要があります。

資金の移動は、振替元を「証券取引口座」、振替先を「CFD取引口座」、そして振替金額を入力することで行われます。

はっちゅう君CFDによる米国VIの指値設定法

それでは、はっちゅう君CFDで米国VIの指値を設定していきたいと思います。

指値設定は、はっちゅう君CFDの上部にあるメニューの「注文」から行います。

注文をクリックするとダイアログが立ち上がるので、ダイアログ上部の銘柄名をデフォルトで表示されている「日本225」から「米国VI」へ切り替えます。

ちなみに米国VIは、「指数・商品」グループの中にあります。

「米国VI」を選択したら、「複合注文」を選択します。

単に売るのみの通常注文ではなく、売った後に買い戻すという複合注文を選択しておくことで、約定後に慌てずに済むんですね。

複合注文の新規の部分における売買は「売」、注文タイプは「IFD」、取引数量は「1」、注文価格は「20」、指値/逆指値は「指値」、有効期限は「翌週末」を選択します。

複合注文の決済の部分における取引数量は「1」、注文価格は「15」、指値/逆指値は「指値」、有効期限は「翌週末」を選択します。

ちなみにIFDは「IF DONE」の略で「イフダン」と読み、もし(IF)新規の売り注文が約定したら決済の買い戻し注文はこうする(DONE)、というように新規と決済の両方の注文を一度に出すことができる便利な注文方法なんですね。

また、注文価格は、新規で20ドルの売り注文を出し、決済で15ドルで買い戻すという意味になります。

その後、「確認画面へ」をクリックし正しく設定されていることが確認できれば「注文確定」をクリックします。

これを、新規の注文価格を20→21→22→23→・・・と変えながら順番に設定していけば設定完了となります。

新規の注文価格は20→21→22→23→・・・と変えていきますが、決済の注文価格は15のままですから注意してください。

はっちゅう君CFDによる米国VIの指値設定確認法

徐々に売り上がっていく米国VIのリスクヘッジ法ですが、全て正しく設定できたかははっちゅう君CFDの上部にあるメニューの「照会」→「注文一覧」から行います。

「注文一覧」をクリックすると、これまでに注文した一覧を確認することができるダイアログが立ち上がります。

注文一覧ダイアログの上部にある「全銘柄」を「米国VI」に変更すると、今回注文した「米国VI」の注文のみが一覧表示されます。

注文価格部分をクリックすると価格順にソートされますので、正しく設定されているか確認しましょう。

下記は、20ドルから1ドル刻みで30ドルまで売り上がった11本の指値一覧を示しています。

全て15ドルで買い戻すIFDONE注文で設定しているため1注文あたり2行ずつ表示されています。

また、はっちゅう君CFDのチャートには指値のラインが表示される機能が搭載されており、20~30ドルの間に1ドル刻みに売り指値を注文した様子が示されています。

はっちゅう君CFD使用時の注意点

はっちゅう君CFDに限らず、GMOクリック証券でCFD取引をする際は以下の2点に注意を払う必要があります。

無期限の指値設定ができない

GMOクリック証券のCFD取引においては無期限の指値設定ができません。

最長でも翌々週末までの2週間で、その期間が経過すると指値が自動的に失効、すなわち取り消されてしまうんですね・・・

他社の場合、無期限の指値設定ができるところがほとんどなのですが、GMOクリック証券だと指値設定期間が最長でも2週間になってしまうのです・・・

これはもうそういうものだと受け止めて2週間おきに指値を再設定するしかありません。

そうは言っても、今回の米国VIのみの設定であれば10分程度で済みますので、2週間おきに忘れずに設定するようにしましょう。^^;

手動ロスカットレートの設定が必要

もう一つが、手動でロスカットレートの設定をする必要がある点です。

これは先程も説明した通り、何もしないと新規ポジションから1.55ドルしか離れていないところにロスカットレートが自動設定されてしまうためなんですね・・・

GMOクリック証券では、セーフティバルブシステム(SVS)と呼ばれるロスカットシステムが導入されています。

ロスカットと言えば、一般的に口座全体で証拠金が一定割合を下回った時に発動されるというイメージがあるかと思いますが、セーフティバルブシステムは建玉ごとにロスカットを設定できる仕組みになっているんですね。

これにより口座全体の建玉が一斉にロスカットされることがなくなり、損失を極小に抑え利益をギリギリまで守ってくれるのです!

そんな優れたセーフティバルブシステムですが、米国VIの場合、新規ポジションを構築したポイントから±1~2ドル前後と非常に近いところにロスカットレートが自動設定されてしまうんですね・・・(汗)

これではボラティリティが激しい米国VIでは、新規ポジションが構築された次の瞬間には即損切りという笑えない状況に陥ってしまうのが容易に想像できると思います・・・(汗)

これを防ぐためにはロスカットレートを手動で再設定しておく必要があります。

ロスカットレートは新規注文の時点では手動設定できず、一旦新規注文をした後にあらためて手動で設定する必要があるんですね・・・

注文一覧の画面からロスカットレートを変更したい注文の「変更」をクリックします。

すると注文変更のダイアログが表示されるので、そこのロスカットレートの「指定」をクリックします。

ロスカットレートの「指定」をクリックすると、手動でロスカットレートを入力できますので、設定したいロスカットレートを手動入力します。

今回は「30」と入力してみます。

30と入力したことで、拘束証拠金が4,478円から13,939円に増えました。

拘束証拠金の左横にある「-」をクリックすると、拘束証拠金の内訳である必要証拠金任意証拠金の詳細な金額を確認することができます。

今回ロスカットレートを30ドルに設定したことで、自動で設定されていたロスカットレート21.55ドルから30ドルへ8.45ドルほどロスカットレートが引き上げられた訳ですが、9,461円はこの8.45ドル分を日本円に換算した額、すなわち8.45ドル×111.96円(当時のドル円コンバージョンレート)×10単位に相当するんですね。

ここで注意しておきたいのは、新たなポジションを構築するために必要な証拠金である必要証拠金に対しては最大5倍のレバレッジをかけられるのに対し、任意証拠金に対してはレバレッジをかけることができないという点です。

ロスカットレートを引き上げた額そっくりそのまま新たな任意証拠金として必要になってくるんですね。

逆に言えば、ロスカットレートに達するまでの含み損すべてを任意証拠金でまかなっていると言えるでしょう。

まとめ

GMOクリック証券の米国VIを利用した投資法をご紹介してきました。

今回ご紹介した方法は暴落時のリスクヘッジに適した投資法と言われており、是非マスターしておきたいところです。

米国VIを利用した株価暴落時のリスクヘッジ法

株価暴落時にVIX指数を高値で売り平常時に買い戻す!

米国VIが20ドルを越えたら徐々に売り上がり、全ポジションを15ドルで買い戻す!

GMOクリック証券ならではの注意点としては以下の2点です。

  • 無期限の指値設定ができず最長2週間なので、2週間おきに再設定する!
  • 指値注文が一通り完了したら、必ず手動でロスカットレートを一つずつ設定し直す!

今回の米国VI投資法においては、必要証拠金よりもむしろ任意証拠金の方が重要で、この額をいかに高めることができるかでより安全度が高い投資につながっていきます。

リスクヘッジの意味合いがあるこの投資方法は失敗が絶対に許されません。

慎重にロスカットレベルを見極め、それに見合う証拠金を入金しておくようにしましょう!

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